避難の高齢男性、高い要介護 福島医大チームが南相馬で調査

 

 福島医大公衆衛生学講座の森山信彰講師(39)らの研究チームが南相馬市の高齢者を対象に調査を行い、震災当時避難指示区域だった地域に住んでいた男性は、避難指示区域外の男性よりも震災後に要介護認定を受ける割合が高かったとする研究成果をまとめた。研究チームは、避難を余儀なくされた高齢者、特に男性には介護予防の取り組みが特に必要だと指摘している。福島医大が23日発表した。

 研究では、震災時に65歳以上で要支援・要介護認定を受けていない市民1万3934人のデータを解析。2016年までに新たに要介護認定を受けた人の割合を調べた。結果、震災時避難区域に住んでいて避難を余儀なくされた男性は、避難区域外の男性に比べ新規の要介護認定が多かった。一方、女性は有意な関連はなかった。

 研究チームは、避難で家族と引き離され、家庭内の介護力が弱まった可能性や、環境の変化が生活に及ぼす影響が、女性より男性の方が高かった可能性を指摘している。

帰還した人の方が介護の利用率低い

 福島医大放射線健康管理学講座大学院生の小橋友理江さん(33)らの研究チームが南相馬市小高区に住民登録していた市民を対象に調査を行い、介護の利用率は避難中の人よりも帰還した人の方が低かったとする研究成果をまとめた。福島医大が23日発表した。震災当時に小高区に住民登録していた人の2019年1月時点の介護の利用の有無について調べた。結果、震災後小高区に帰還した人の介護利用率は、帰還していない人よりも全ての年齢層で低かった。

 研究チームは理由として、帰還したことで状態が改善し介護が必要なくなった可能性などを指摘している。