「高校生語り部」育成 福島県教委、震災の記憶や教訓を後世に

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の記憶がなかったり、経験していない子どもが増える中、県教委は本年度、県立高の生徒を語り部として育成する事業に乗り出す。生徒が自分の言葉で本県の過去と未来を語る姿を通じて風化防止と風評払拭(ふっしょく)につなげる。

 現在の高校生の大半は幼稚園の年中から小学1年時に被災しており、当時を記憶する最後の世代に当たる。県教委は記憶や教訓を後世に伝えるため、語り部の育成が必要と判断。学校から希望を募るが、30校程度が参加すると見込んでいる。

 東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)での研修、避難経験者や取材記者を講師に招いた授業、現地調査などで震災と原発事故について学び、生徒の主体性や思考力、情報発信能力を養う。

 実践の場として、伝承館の来館者や各校の地元住民、外国人などへの「語り」を想定。寸劇仕立てや紙芝居、映像などさまざまな手法を用いた高校生らしい内容にする。

 各校の代表を集めた交流会や審査会など、高校生が学び、高め合うイベントも予定している。

 25日の6月定例県議会で自民党の佐藤政隆議員(本宮市・安達郡)の代表質問に答えた鈴木淳一教育長は「高校生が語り部として福島の過去、現在、未来を語ることで大きな教育効果を目指し、風化の防止と風評の払拭にもつなげる」と述べた。