福島県、米で「県産品フェア」初開催へ 輸入規制の撤廃に活路

 

 県は本年度、一部の県産食品の輸入を停止している米国で県産農林水産物の発信に乗り出す。現地の飲食店や量販店で県産品のフェアを初めて開催。震災前に大口の輸出先だった東アジアに加え、市場規模や世界への影響力が大きい米国での発信力を強化し、震災から10年が過ぎた今も14カ国・地域で続く輸入規制の撤廃へ活路を見いだす。

 米国では震災後、コメなど一部食品の輸入規制が続いている。一方、日本酒については、ニューヨークとサンフランシスコの日本食レストランで県産酒を提供したり、酒店に県産酒の販売コーナーを設けたりといった県の取り組みを背景に、輸出量が伸びている。

 このため、先行して県産日本酒を提供している飲食店や量販店で、福島牛の料理や本県沖でとれた魚の加工品、県産モモの加工品などを販売するフェアを開催。日本酒と県産農産物とを併せて売り出すことで商機を狙う。

 10月ごろから現地の飲食店5店程度、年明けから量販店2店程度での販売開始を目指す。影響力が大きいインフルエンサーに協力を呼び掛けて、会員制交流サイト(SNS)などでも県産品を発信してもらう考え。

 14カ国・地域のうち8カ国・地域では検査証明書の添付などにより県産食品の輸入を認めているが、震災前の輸出実績が大きい香港や台湾をはじめ中国、マカオ、韓国、米国の6カ国・地域は輸入停止(韓国、米国は一部)を続けている。

 県によると、米国向けの輸出は検疫の厳しさなどを背景に震災前からほとんどなく、県産食品になじみがない米国での魅力発信にも意義があるとみている。東京電力福島第1原発で発生する処理水を海洋放出する政府方針に一定の理解を示している米国での発信力を強化し、規制撤廃に向けた国の取り組みを後押しする狙いもある。

 県は米国での発信と併せ、規制を続ける国・地域の政府関係者に理解を促す動画の制作にも取り組む方針。

 25日の6月定例県議会で、自民党の佐藤政隆議員(本宮市・安達郡)の代表質問に小柴宏幸農林水産部長が答えた。