障害ある人の希望に パラ聖火走者の星野さん、8月都内でリレー

 
生徒会長やサッカー部の部長を務める星野さん。聖火ランナーに選ばれ「自信の持てない人に勇気を与えたい」と意気込む

 県は28日、東京五輪閉幕後に行われる東京パラリンピック聖火リレーの本県代表ランナーなどを発表した。8月21~24日に都内で行われる聖火リレーには、星野千尋さん(17)=県立いわき支援学校高等部3年=が選ばれた。21日にほかの都道府県ランナーと3人一組で走る。リレーに先立ち、各都道府県から集まった火をまとめる「集火式」(8月20日・都内)には、パラリンピックに4大会連続で出場した県障がい者スポーツ協会の増子恵美さん(50)=三春町出身=が参加し、本県の火を掲げる。

 「自分のように自信を持てなかった人に勇気を与えたい」。本県唯一のパラリンピック聖火ランナーに選ばれた星野さんは、走ることで希望を示すことを誓う。

 中学校までは人前に立つと緊張し、人に話し掛けることが苦手だったという。転機は支援学校高等部に進学して務めた学級委員。人前で話したり、クラスをまとめたりする経験が自信につながり、自分から人とコミュニケーションを取れるようになっていった。

 人前で堂々と話す前任の生徒会長に憧れ、昨年冬に行われた生徒会選挙に立候補した。4月に生徒会長となり、朝のあいさつ運動などを提案。サッカー部では部長を務める中心選手となっている。学習や生活両面で生徒たちを引っ張る存在だ。いつしか「やればできる」が自身の合言葉になった。

 そんな中、学校から聖火ランナーへの推薦を持ちかけられた。「お世話になってきた先生や家族に成長した姿を見せられるチャンスだと思った」。積極的に手を挙げた。

 星野さんは注意欠陥多動性障害(ADHD)と軽度の知的障害がある。聖火ランナーとなることが決まり、「パラリンピック選手と同じように自分も障害のある人の希望になれれば」との気持ちも芽生えてきた。

 「(聖火ランナーを)落選した人の分まで責任を持って走りたい。とにかくやればできる」。学校生活で得た自信を胸に聖火をつなぐ。

 増子さん集火式代表

 各都道府県から届く火を一つにまとめ、聖火の統合を祝う集火式に参加する増子さんは、2008年の北京パラリンピックまで4大会連続で出場した本県を代表するパラリンピアンだ。

 「選手は多くの出会いと支えがあり、困難にも諦めずに取り組んできた」と選手の思いを代弁する。その上で「聖火には全力で頑張ってきた選手を全力で応援したいという思いが込められている」とし、「地域の代表という気持ちで福島県の火を東京に届けたい」と完全燃焼を約束した。