福島県、スマート水産業研究に着手へ 21年度、漁獲データ蓄積

 

 県は本年度、情報通信技術(ICT)など先端技術を活用した「スマート水産業」の実用化に向けた研究に着手する。漁船にタブレット端末を導入して水温や漁獲のデータを蓄積したり、小型の発信器を付けた魚を放流して生態を調査するなどの研究を進め、操業の効率化や収益性向上につなげる狙い。震災から10年がたち、本格操業に向け水揚げ量の拡大を目指す本県漁業者を後押しする。

 底引き網漁船2隻に9月をめどに端末を導入。漁獲した魚の種類や量、水温などのデータを収集して一元的に管理する。研究は5年をかけて行い、年2隻ずつ計10隻からデータを収集する予定。さし網漁船などほかの漁法でも導入し、収集したデータを漁業者が共有できるようにする。どのような環境下で、どのような魚が取れるかを把握することで、計画的な漁獲や操業コストの削減に役立ててもらう。併せて、小型発信器を付けたホシガレイを放流して生息場所を調査し、効果的な放流を実証する。

 震災で甚大な被害を受けた本県水産業の早期復興を目指し、県水産海洋研究センター(いわき市)などは2018(平成30)年度から、人工衛星や観測ブイによる水温など海洋環境の情報収集に加え、漁獲データ、水揚げ量と平均単価などの市況情報を一元管理し、配信するシステムの開発を進めてきた。今後5年間でこのシステムを実証し、導入の効果や実用化に向けた課題を検証する。

 湖沼など内水面漁業についてもシステムの適用を進めていく方針で、海面、内水面とも、省力で水揚げ金額を拡大する「ふくしま型漁業」の実現を目指す。

 6月定例県議会で鈴木智議員(自民、いわき市)の質問に小柴宏幸農林水産部長が答えた。