安全祈願兼ね慰霊祭 浪江・請戸地区「先人の丘」整備へ

 
津波で破壊された墓石に祈りをささげる関係者

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた浪江町請戸地区で2日、町が請戸共同墓地の跡地に整備する「先人の丘」の工事の安全祈願を兼ねた慰霊祭が行われた。関係者は請戸地区を築いた先祖を敬う場の完成に向け、津波で破壊された墓石に祈りをささげた。

 慰霊祭には吉田数博町長ら関係者約20人が出席した。地元の大聖寺と南岳院の住職2人が供養を行い、出席者が焼香した。

 山形県に避難する請戸行政区長の鈴木市夫さん(81)は「震災後は自分たちの生活再建に精いっぱいで、先人への思いが遅れて申し訳なかった。3月の完成まで待ってほしい」とあいさつした。

 先人の丘は、町が同町請戸字大師堂の敷地約7300平方メートルに整備し、来年3月11日までの完成を目指す。津波で流され、破壊された墓石を集め、土をかぶせて丘をつくり、先人が再び安らかに眠れる場所とする。丘は直径40メートル、高さ5メートル。丘の敷地内には、津波で流失した地域の記念碑なども再建立し、震災の記憶を継承する役割も持たせる。総事業費は約2億2000万円で、福島再生加速化交付金などを活用する。