猪苗代湖遊覧船の新会社設立 10月運航目標、貸し切り事業も検討

 
かめ丸の前で意気込みを語る渡部社長(左から2人目)と役員ら=猪苗代町・翁島港

 猪苗代湖のシンボルとして親しまれてきた観光遊覧船「はくちょう丸」と「かめ丸」の運航再開に向け、新しい運営会社「猪苗代観光船」が設立された。秋の行楽シーズンに合わせ10月ごろの運航開始を目指し、遊覧船事業だけでなく貸し切りや船上レストランの運航など新事業も検討していく。

 新会社の役員らが4日、猪苗代町の翁島港に停泊するかめ丸船内で記者会見し、今後の事業計画などを説明した。新会社は県内外の企業などが出資。コロナ禍で観光分野では厳しい環境が続いており、遊覧船のほか、新たな集客策として過去には行われていなかった貸し切り運航なども行う方針。

 具体的には、日の出や日没、天体観測が目的のクルーズ、冠婚葬祭やパーティーによる貸し切り運航、船上レストランなどを展開する予定。将来的には、水陸両用車の遊覧船や水上飛行事業も視野に入れる。4日にはインターネット上で事業資金の一部を募るクラウドファンディングも始めた。

 会社設立は6月22日付。社長には猪苗代町のレイクサイドホテルみなとや社長の渡部英一(ひでいち)氏が就任した。出版社の国書刊行会(東京)社長の佐藤今朝夫(けさお)氏=福島市出身、縫いぐるみメーカーのトイビレッジ(同)社長の木村大輔氏が役員に就き、会津若松市の磐梯貨物などが主要株主となった。

 渡部社長は会見で「船の上でやれるイベントは全てやる。この船のサポーターやファンをどんどん増やしていきたい」と意気込んだ。

 遊覧船2隻はユーモラスな船体で県民や観光客に親しまれてきたが、コロナ禍で客足が減り、昨年6月に地元の運営会社「磐梯観光船」が廃業。船の譲渡先として大阪府の企業が「解体して運んで別の場所で運航したい」と名乗りを上げたが「猪苗代湖から離れてほしくない」と地元企業などが新会社を設立して事業の継承を決めた。