浜通りの食、ブランド化へ新事業 浪江に農場、ヒット商品目指す

 

 東日本大震災で被災した東北地方の食産業を支援する一般社団法人「東の食の会」(東京都)は本年度、東京電力福島第1原発事故による風評払拭(ふっしょく)に向け、浜通りの食をブランド化する各種事業に乗り出す。浪江町に魅力のある高付加価値作物を実験栽培する「コミュニティー農場」を整備するなどして、生産者のつながりをつくり、ヒット商品の創出や販路拡大などを目指す。

 同法人専務理事の高橋大就さんが5日、県庁で記者会見し事業を発表した。

 事業は五つのテーマで進める。浪江町に整備するコミュニティー農場は今秋にも開設する。これまで東北や国内で生産されていなかったかんきつ類やハーブなど数十種類の品目を栽培し、食のブランド化に向けた可能性を探る。このほか生産者向けマーケティング講座、消費者向け体験・観光型イベントやツアー、食の都フランス・パリを主なターゲットとした海外向け食文化輸出などを行う。

 東の食の会は2011(平成23)年6月に設立し、東北被災3県の「食の復興」に取り組んでいる。代表的なのは岩手県の事業者と開発した「Cava(サヴァ)缶」。国産サバを使った洋風缶詰で、高価格設定にもかかわらず3月末までに累計製造1000万缶を突破した。同法人は現在、本県産のヒラメやエゴマを使った加工品などの商品開発に向けた検討も進めている。

 同法人は今後3年間、休眠預金等活用制度の資金分配団体「社会変革推進財団」から約4900万円の助成金を受けて事業を進める。

 今年4月に浪江町に移住した高橋さんは「生産者と消費者の接点をつくり、福島の食のファンを増やしていく。原発事故によるネガティブな影響を上回る事業を展開し、ヒーロー生産者やヒット商品を生み出したい」と展望を語った。