避難、台風に負けず本宮に新自動車整備工場

 
◆「浪江と本宮に根差した仕事をしていきたい」と話す栄一社長(左)と公一専務

 東京電力福島第1原発事故の影響で浪江町から本宮市に避難し、一昨年の東日本台風でも被災した自動車整備工場「ササキボデー」が、移転先の同市瀬樋内地区に工場を新築して業務を始めた。社長の佐々木栄一(よしかず)さん(74)は「場所が変わっても、浪江と本宮に根付いた仕事をしていく」と決意を語る。

 同社は原発事故後、浪江町から親戚がいた白河市に避難。工場を間借りし、営業を再開。2012年7月には避難する浪江町民のニーズに応えようと当時、町役場の機能があった二本松市に近い本宮市に工場を構えた。

 浪江町民に加え、本宮市内の顧客も年々増えていき、仕事も軌道に乗り出した時、東日本台風が襲った。安達太良川沿いにあった工場は、近くの堤防が決壊し、約2メートル80センチ浸水。積載車が水没するなど、被害額は約5千万円に上ったという。

 「もうやめてしまおうか」。栄一さんは度重なる災害に廃業も考えたという。それでも前を向けたのは「復興が進み、散り散りになっても来てくれる浪江のお客さんや、受け入れてくれた本宮のお客さんの存在があったから」と栄一さん。水害からの復旧に取り組み、業務を再開した。復旧にめどが付き、さらに地域に根差した仕事に取り組もうと工場を移転して新築することを決め、6月末のオープンにこぎ着けた。後継者として期待する専務の次男公一さん(40)の存在も新築の決断を後押しした。

 新工場には、開店を祝って浪江町と本宮市の利用者から多くの花束が届いた。栄一さんは「『おめでとう』と言ってもらい、気持ちが引き締まった。お客さんの思いに十二分に応える仕事ができるように頑張っていきたい」と話す。

 新工場は本宮まゆみ小の隣の同市本宮字瀬樋内189の2。営業時間は午前8時30分~午後5時30分。問い合わせは同社(電話0243・24・8670)へ。