質問票で主治医の信頼度数値化

 

 福島医大臨床疫学分野の栗田宜明特任教授(42)らの研究チームは、患者から見た主治医の信頼度を100点満点のスコアで測ることができる質問票を開発した。米国で作られた質問票を日本語版として応用し、最適な治療に欠かせない患者と医師の信頼関係の構築に役立てる。患者やその家族が過去に医療過誤を体験していた場合、主治医が変わっても信頼度が低下する傾向も検証で分かった。

 医大が6日、発表した。研究チームは質問票を作成した米スタンフォード大医学部のトム教授らと共同研究を実施し、11項目の質問を日本人でも使えるようにした。主治医の能力だけでなく、思いやりや守秘義務の順守など人柄も含めた多面的な評価を患者に尋ねる。

 検証はがんや糖尿病、うつ病などを患う全国の成人約660人を対象に行い、平均スコアは70.5点だった。過去の医療過誤がトラウマや医療不信の原因になる可能性にも着目。患者とその家族の双方が医療過誤の経験者の場合、現在の主治医のスコアが7.5点低下することが判明した。

 近年、日本でも治療方針を決定する際の医師と患者の意思疎通の在り方が注目を集めている。信頼度のスコアは質問に回答する患者との相性なども影響し、医師の優劣を付ける基準にはならないが、意思疎通の改善点の把握につながる。栗田氏は「今後も研究を続ける。より良い治療のためのコミュニケーションのきっかけになれば」と話した。

 研究成果は米国の総合内科誌「ジャーナル・オブ・ジェネラル・インターナル・メディシン」の電子版に6月22日付で掲載された。