「ミネアポリス展」開幕 県立美術館、名品の魅力紹介

 
開幕した「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」。北斎の「冨嶽三十六景」シリーズの錦絵などの傑作が人気を集めている=8日、福島市・県立美術館

 欧米屈指の日本美術コレクションで知られる米ミネアポリス美術館の収蔵作品が並ぶ「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」が8日、福島市の県立美術館で開幕した。中世から近代までの日本絵画の変遷をたどり、水墨画や狩野派(かのうは)、琳派(りんぱ)、浮世絵などの分類で多彩な作品の魅力を紹介する。9月5日まで。

 ミネアポリス美術館の日本美術コレクションは9500点に及び、展覧会ではえりすぐりの約90点を展示している。浮世絵の葛飾北斎や東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)といった人気絵師のほか、関東南画の大家で白河藩主松平定信に仕えた谷文晁(たにぶんちょう)、会津や三春に拠点を置いた室町時代の画僧雪村周継(せっそんしゅうけい)といった本県ゆかりの画家の作品も並んでいる。

 県立美術館、福島中央テレビ、福島民友新聞社でつくる実行委、ミネアポリス美術館、読売新聞社の主催。検温や手指消毒のほか、密集しないよう、間隔を空けて入場してもらうなど新型コロナウイルスの感染対策を講じている。
 観覧料は一般1500円、学生1100円、小中学生・高校生650円で、未就学児は無料。開館時間は午前9時30分~午後5時。月曜日休館(8月9日は開館し翌10日が休館)。問い合わせは県立美術館(電話024・531・5511)へ。

 名画の世界をじっくり

 「バラエティーに富んでいて楽しい」「日本絵画の価値を再認識した」。福島市の県立美術館で8日に開幕した「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」。日本美術の粋を集めた作品の数々が並び、訪れた人たちは人気絵師らの洗練された表現などをじっくりと鑑賞した。

 会場では、室町時代以降権力者の保護を受けながら発展した「狩野派(かのうは)」のびょうぶ絵やふすま絵、中国の知識人である文人への共感から描かれた日本の文人画(南画)などを、それぞれコーナーを設けて紹介している。

 浮世絵のコーナーには、モデルの容姿を極端にデフォルメした描写が特徴の東洲斎写楽の作品や、富士山をさまざまに描いた葛飾北斎の作品が並ぶ。福島市の会社員菅野由美さん(34)は「北斎の作品など、普段テレビで見るような作品を間近で見ることができて良かった」と感想を話した。

 既存の流派や様式にとらわれない「奇想」の絵師として知られる伊藤若冲(じゃくちゅう)や曽我蕭白(しょうはく)の作品も紹介している。福島市の主婦佐藤久美子さん(71)は「若冲はこういう鶏も描いていたんだと、知ることができた」と満足した様子だった。

 開幕に先立ち開会式が行われた。内堀雅雄知事が「中世から近代のえりすぐりの絵画を展示し、本県ゆかりの画家の作品もある。魅力を存分に感じてほしい」、長根由里子県立美術館長は「令和元年の台風被害、コロナ禍、今年2月の地震と災禍が起きているが、このような時だからこそ数限りない災禍を乗り越えて美を守り伝えてきた先人たちに思いをはせることは意義深い」とそれぞれあいさつ。鈴木淳一県教育長、中川俊哉福島民友新聞社社長、五阿弥宏安福島中央テレビ社長と共にテープカットした。その後、内覧会も開かれた。