「相馬野馬追」主要行事中止 神事のみ省略形式

 

 相双地方の伝統行事「相馬野馬追」(24~26日開催)の執行委は9日、南相馬市で新型コロナウイルスが感染拡大していることを受け、25日の「神旗争奪戦」や「甲冑(かっちゅう)競馬」など市内で開催される主要行事を中止にすると発表した。執行委員長の門馬和夫市長は記者会見で「野馬追をきっかけに感染が拡大するような事態は避けたかった」と"苦渋の決断"に理解を求めた。

 執行委によると、市内の行事は昨年同様、規模を大幅に縮小し、神事のみの「省略野馬追」の形式とする。ただ、相馬市で行われる総大将の出陣式や昨年は中止した浪江町の騎馬武者行列などは実施する予定。

 執行委はこれまで、無観客とした上で2年ぶりに主要行事を行う方向で準備を進めてきた。しかし今月に入り、南相馬市内の接待を伴う飲食店で2件のクラスター(感染者集団)が発生。感染拡大に歯止めがかからず、市は6日、市内の現状を「非常事態」と位置付け、野馬追を含む市内の行事・イベントの開催内容を再検討するとしていた。

 「今回が最終判断」。門馬市長は会見でそう強調した上で「屋外で行われるので、感染リスクは低く安全だと思うが、市民に不要不急の外出自粛を呼び掛けている立場として野馬追だけが特別扱いというわけにはいかない」と説明。「騎馬会関係者や全国の野馬追ファンには申し訳なく思うが野馬追は地域の平和と安寧を祈る行事。野馬追をきっかけに感染が拡大するような事態は避けたかった」と述べた。

 出場する騎馬会関係者からは主要行事中止を残念がる声が上がる。五郷騎馬会の中島三喜会長は「『今年こそは』との思いで出場者は必死に乗馬練習に励んできた。馬が出せないのは非常に残念」と肩を落とす。「例年よりも多く会合を開き、開催に向けて協議を重ねてきたが、このような状況では仕方がない。来年こそは、何としても通常に近い形で開催したい」と述べた。