松平定信の思い現代に...県南に「楽翁堂」ブランド誕生

 
県南地域の名産品の魅力を伝えようと、楽翁堂のセット商品について意見を交換する岩崎さん(左)ら

 県南地域の名産品の魅力をより多くの人に伝えようと、店の垣根を越えたプライベートブランド「楽翁(らくおう)堂」が誕生した。「楽翁」とは、民衆に親しまれた白河藩の名君・松平定信が隠居後に名乗った呼び名。仕掛け人は町おこしに意欲を燃やす他業種の地元有志で、白河だるまなど、さまざまな地場産業を興した定信の思いを引き継ぎ、「県南ならでは」のギフトセットの販売などを進めていく。

 「胸を張ってほかの地域の人に贈れる県南のギフト商品って何だ」。きっかけは元白河市職員の岩崎洋一さん(61)が抱いていた県南の課題だった。白河青年会議所(JC)などで活動した岩崎さんは、仲間に声を掛けたところ「確かにないな」「個々の商品を組み合わせればいいのでは」などのアイデアが出て、県南を代表する共通ブランドをつくることを決めた。

 中核となるメンバーは、地元で活動するシェフやデザイナーなど7人。ブランドのコンセプトを話し合う中で、武士や庶民ら誰もが楽しく暮らすことができる「士民共楽(しみんきょうらく)」の精神を掲げた定信の思いを現代によみがえらせようと考えた。

 定信が水害に強いソバを根付かせ、「市民を元気に」と白河だるまを広めたことから、そばや白河だるまなどを合わせた「楽翁のいちおしセット」とストーリー性のある商品を考案した。白河産米とご飯に合うおかずを合わせた「ごはんとごはんのおともセット」や「白河の地酒とおつまみのセット」「定番のみやげと白河ラーメンのセット」などもお薦めの商品だ。

 活動は広まり、現在では、白河市や矢吹町、矢祭町などの食品加工業者や工芸品店30社以上が参加している。各店が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、共同で売り込もうという意識も浸透。お中元の時期を迎え、売り込みに力を入れている。今後もコンセプトに沿った新たなセット商品の開発を行う予定で、各事業者の宣伝や販路拡大にもつなげていく。

 定信は、NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公として注目される渋沢栄一が敬愛した人物としても知られている。関係者は「大河効果」が知名度アップにつながることも期待している。

 岩崎さんは「地元の人にも商品を試してもらい、郷土愛を高めてほしい。その上で、他の地域に住む親戚や友人への贈り物に選んでもらえればうれしい」と語る。楽翁堂の商品は公式サイトで購入できる。問い合わせは楽翁堂(電話0248・22・8861)へ。