福島県、第三者認定伸び悩む コロナ対策飲食店制度

 
寿楽の店頭に貼られた認定を示すステッカー

 新型コロナウイルスの感染防止対策を講じている飲食店を対象にした県の第三者認証制度「ふくしま感染防止対策認定店」の認定店舗数が伸び悩んでいる。県によると、14日現在で610店舗。飲食店を起因とする感染やクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、南相馬市では営業時間短縮要請が出る中、県は感染防止と安全な店舗利用につなげるため、認定店を増やすための体制強化を図る。

 制度は、食品衛生指導員による現地調査で十分な対策が取られていると確認された店に、県が"お墨付き"を与える取り組み。認定店にはオレンジ色のステッカーを交付する。第三者の目で対策を確認することで、自己申告による緑色の「感染防止対策取組ステッカー」以上に実効性を持たせるのが狙いだ。

 認定の伸び悩みについて、県は新型コロナの感染拡大で現地調査が想定通りに実施できなかったことを要因に挙げる。また、認定対象となる店舗を約7千店と想定しているが、6月末現在で4197店舗が緑色の交付を受けており、「緑で十分」と考え、認定を希望しないケースもあるとみる。

 時短要請が出ている南相馬市の認定店は30店舗(14日時点)。市の担当者は「クラスター発生を重く受け止めないといけない。(認定店増を含め)どのような連携が必要か考えたい」と対応を急ぐ構えだ。

 県内の市町村で感染者数が最多の郡山市。6月下旬から飲食店を起因とした感染が増加傾向にあり、クラスターも発生しているが、飲食店約1450店舗に対し、認定は48店舗(14日時点)にとどまる。同市で居酒屋を経営する男性(31)は「忙しくて申請する時間がない。感染対策は考えているし、認定によって客入りに影響があるかどうか分からない」と漏らす。市は独自に支援金10万円を給付して認定店舗を増やし、飲食店での感染拡大防止を図りたい考えだ。

 一方、感染急増を受け、5月3日から県内最長となる1カ月超の時短要請が出された会津若松市。同市馬場町の飲食店「ラーメン居酒屋 寿楽」は5月上旬に認定を受けた。店主の氏家義光さん(76)は「しっかりと対策をしている店じゃないと利用しないという人がいる。そういう人のためにもこういう制度が必要だ」と強調する。

 6月県議会で可決された補正予算には、現地調査を行う人員体制強化のための関連経費が盛り込まれており、県は認定作業を加速させる。「ステッカーは利用者の店舗選びの目安にもなる。認定店をできるだけ増やせるよう努力していく」とした上で「利用者側に対策を徹底してもらうことも拡大防止に必要だ」(食品生活衛生課)と呼び掛けている。