坪倉教授、大学生に講義 東京で環境省イベント

 
坪倉教授(右)から放射線の健康影響について講義を受けた小泉環境相(左から4人目)と大学生ら

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射線の健康影響を巡り、環境省が15日に東京都内で開いた新活動の発足イベントでは、坪倉正治福島医大放射線健康管理学講座主任教授がオンラインで結んだ本県の大学生らに講義した。「人では放射線による遺伝影響は認められていない」との見解を示し、正しい知識を学び伝えることの大切さを説いた。

 小泉進次郎環境相や福島医大、福島学院大、玉川大大学院の学生が受講。診療放射線技師が活躍する漫画「ラジエーションハウス」を教材にし、妊娠した女性の技師が放射線が健康に及ぼす影響や家族の理解について悩む場面から、受講者が効果的な情報の伝え方を考えた。

 坪倉教授は県民健康調査の妊産婦調査から、県内で先天的な異常などの発生率が全国調査と差がない実績を説明。その上で「将来の子どもたちが偏見や誤解をはね返せず、可能性がそがれることがあってはならない。次の世代が問題を認識し、科学的な理解を深めて伝えられるよう学びの場を提供し続けたい」と述べた。

 漫画を監修した五月女(さおとめ)康作福島医大保健科学部准教授も参加し「放射線の専門職でさえも家族や友人からの誤解に直面している。一つ一つ誤解を解決しなければならない」と指摘した。

 講義に先立ち、小泉氏は「福島の復興や原発事故への関心が薄れると、正しい情報が更新されなくなる。風評やデマをうのみにしてしまうかもしれず、国民の意識を変える必要がある」と活動の意義を強調した。

 放射線教育については、県市長会長の立谷秀清相馬市長を中心に地元から充実を求める声が出ており、小泉氏は「目標達成に向け、現場の意見を継続的に聞いて学びながら進めていきたい」と報道陣に説明した。