「水底作業ロボ」開発に着手 福島高専、産学連携

 

 福島高専は民間企業や教育関係機関と連携して、東京電力福島第1原発の廃炉に向け、水底の汚染がれきや泥を除去する作業ロボットの開発に着手した。水中で作業するロボットの開発は進んでおらず、廃炉作業前進への貢献が期待される。2023年度末までの完成を目指している。

 福島高専によると、第1原発では原子炉建屋やタービン建屋などで水没箇所があり、底部に汚染されたがれきや泥などがたまっている可能性があることから、作業ロボットの開発が求められているという。

 作業ロボットは、車輪代わりのベルト「クローラ」で移動するクローラ型で不整地での作業に向くのが特徴だ。水中のほか、陸上でも活動でき、アームを取り付けることで床面に散乱する小さながれきや泥の回収も可能という。

 小型化へ開発を進めており、縦約50センチ、幅30センチ、高さ50センチ程度を想定している。カメラや3Dセンサーを取り付ける。

 併せて特定の光で固まる樹脂などを基に放射線を遮蔽(しゃへい)する塗料素材の開発も進める。ロボットから噴霧して汚染箇所を覆うことで放射性物質の拡散を抑え、安全な作業環境を整える。

 福島高専機械システム工学科の鈴木茂和准教授が研究リーダーを務め、精密機械部品などを製作するタカワ精密(南相馬市)がロボット本体、東日本計算センター(いわき市)が制御ソフトを試作。放射線管理や測定などを業務とするアセンド(茨城県東海村)の福島事業所が運用試験や評価、熊本高専、富山高専が放射線への耐性、遮蔽性などを評価する。

 鈴木准教授らはこれまで水中を漂いながら調査するロボットなどを開発し、実用化につなげてきた。その過程で水底での調査や作業を担うロボットの必要性を感じた。本年度から2年で試作と改良に取り組み、23年度に福島第1原発での実証実験を目指す。

 東日本大震災の行方不明者の遺留品捜索への活用も視野に入れる。

 開発に参加する県内民間企業へのロボット製造技術の蓄積なども期待され、鈴木准教授は「廃炉作業が進む中で『メードイン福島』のロボットが活躍していく契機にしたい」と話す。