田人の暮らし未来へつなぐ 首都圏から移住夫妻奮闘

 
ワークキャンプで田人の暮らしを未来につなぎたいと意気込む真輝さん(右)と由美子さん。いわき市田人町南大平では、拠点施設の建設が進む

 いわき市田人町で、国内外の若者らの力を借りて、少子高齢化に直面する田人を元気にする合宿型ボランティア「ワークキャンプ」の拠点づくりが始まった。その中心を担うのは、首都圏から田人移住した下條真輝さん(32)、由美子さん(30)夫妻。大好きな田人の暮らしを未来につなごうと、新たな仕組み作りに挑戦している。

 横浜市で塾講師をしていた真輝さんは2019年8月、自然の中で子どもが遊び、学ぶ場をつくりたいと田人の地域おこし協力隊に就任。いわき市勿来町出身の由美子さんは、横浜市に事務局を置く国際ボランティア・ワークキャンプのNPOで経験を積み、20年5月に移住した。

 そんな2人を田人の人たちは温かく受け入れた。ただ、少子高齢化が進み、里山の風景や暮らしの知恵、技術の継承が難しくなってきた。お年寄りからは「今年で田んぼも畑も終わり」「コンニャク作りの後継ぎがいない」などの声が聞こえてくる。

 「私たちを受け入れてくれた田人のために、何か還元したい」と真輝さん。「いつか福島でワークキャンプに取り組みたい」という目標を持っていた由美子さんと共に、ワークキャンプの拠点をつくり、ボランティアが田人の暮らしを体験しながら、地域の手伝いができないかと考えた。

 2人は、地域住民と協力し、ワークキャンプなどに取り組む田人里山再生委員会を設立。ボランティアが滞在する拠点施設「ワークキャンプ・ビレッジ」の建設を始めた。来年2月に施設が完成、4月には民泊事業を始める計画だ。

 ボランティアが入れ代わり立ち代わり田人を訪れ、山林や田畑の仕事を楽しむ。そんな光景を思い描きながら真輝さん、由美子さんはこんな好循環の創出を目指す。「ボランティアが楽しむ姿を見て、田人のおじいちゃん、おばあちゃんが自分たちの子や孫にも『楽しいからやってみろ』と山や畑の仕事を任せられるようになればうれしい」

 あすまで支援金募る

 ワークキャンプ・ビレッジの建設に向け、インターネットクラウドファンディングのサイト「CAMPFIRE(キャンプファイア)」で、20日まで支援金を募っている。目標は150万円。