戦前台湾で活躍の文学者「西川満日記」、西会津に

 
寄贈を受けた日記を手に持つ矢部代表理事(左)と蕭副館長

 国立台湾文学館は、戦前の台湾で活躍した会津若松市出身の文学者・西川満氏が残した「西川満日記」を西会津町の西会津国際芸術村に贈った。芸術村は7日、同日記などを展示した常設展を施設内で始め、台湾初の詩人団体を設立するなど「台湾文学」の成立に大きく貢献した西川氏の功績を紹介している。

 芸術村を運営する一般社団法人BOOTの矢部佳宏代表理事が「会津の子どもたちに西川氏の功績を伝えたい」と常設展を企画。その話が台湾文学館にも伝わり、日記の寄贈につながった。常設展では日記のほか、西川家から贈られた遺品の自伝2冊などを展示している。

 西川氏は、日本統治下の台湾台湾文化に着目し、詩集や小説を執筆。詩集、小説など26編、雑誌72冊を残した。日記は、西川氏が台湾から帰国後の1947(昭和22)年3月から1年間の出来事などを日本語で書いたもので、西川氏の生活や考えを知る上で貴重な資料になっている。

 西川氏と生前交流があった台湾の研究者・張(ちょう)良澤(りょうたく)氏らが翻訳した。台湾文学館が今春、西川氏の直筆を再現した復刻版と、中国語と日本語で記載された日中併記の計2冊を出版した。

 日記の贈呈式は5日にオンラインで行われ、台湾文学館の蕭(しょう)淑貞(しゅくてい)副館長が「会津にはなじみのない人物かもしれないが、日記を通して多くの人に知ってほしい」と述べた。

 矢部代表理事は「西川氏は国籍や血筋を超え、台湾文学界で愛されている一人。芸術や文化でつながれることはたくさんある。西川氏を通じてこれからも交流を深めたい」と謝辞を述べた。