「東北の食と酒」パリに 被災3県のメニュー提供

 
2019年にパリで開かれた試食会の様子

 東日本大震災で被災した本県などの食材の海外販路を開拓する東北グローバルチャレンジ実行委員会は23日、東京五輪開幕に合わせ、フランス・パリで「東北の食と酒」をテーマにした試食会を開く。新型コロナウイルスの影響で「復興五輪」の理念がかすむ中、東北の食の生産者と次回の夏季五輪開催地をオンラインで結び、10年の東北復興の歩みを発信する。

 試食会の名称は「ヒューマンレガシー・ダイニング~テロワージュ東北inパリ」。パリ10区市庁舎を会場に、本県を中心に被災3県のコメ、海藻、水産品、フルーツ加工品など約20品目を使ったメニューを、日本酒、ワイン、クラフトビールとともに提供する。食材・酒類の計18事業者が参加する予定で、会場にパリのシェフやパリ五輪関係者ら約30人を招待する。

 試食会の開催は2019年に続き2回目で、前回も食の都パリで開いた。東北の生産者がパリを訪れ、震災後のどん底から消費者の信頼を勝ち取ってきた状況などを紹介し、共感を呼んだ。

 東北グローバルチャレンジは福島、宮城、岩手3県で「食」に関する事業を行う農水産業、食品加工業者などを対象にした海外展開支援プロジェクト。NPO法人エティック(東京都)と一般社団法人東の食の会(同)が事務局で、米金融大手JPモルガンの協賛を受けて活動している。

 今回は、東の食の会専務理事の高橋大就さん=浪江町在住=が代表して現地を訪れ、オンラインで会場と生産者、内堀雅雄知事をつなぎ、プレゼンテーションなどを通じて交流する。

 実行委は「東京大会は震災からの復興を世界にアピールする『復興五輪』となるはずだったが、海外観客の受け入れ見送りでそれはかなわない。次善の策だが、東北の生産者による10年の『レガシー』を発信したい」としている。