憲法学者・鈴木安蔵を顕彰へ 南相馬出身、住民ら年内にも記念館

 
記念館への活用が計画されている旧家。志賀会長は「若い世代に伝えたい」と力を込める=南相馬市小高区

 南相馬市小高区出身の憲法学者鈴木安蔵を顕彰しようと、地元住民らでつくる「鈴木安蔵を讃(たた)える会」は小高区に残る鈴木の旧家を活用して年内にも記念館を設置する。関係者は「若い世代に鈴木さんの功績を伝えたい」と話している。

 鈴木は1904(明治37)年に旧小高町に生まれ、静岡大や愛知大などで教授を務め、83年に死去した。市教委と讃える会の志賀勝明会長(73)によると、45年に発表された「憲法草案要綱」を作成した中心人物とされている。

 鈴木の旧家は小高区仲町にある。木造平屋で大正後期~昭和初期にかけて建設されたとみられ、2018年に国登録有形文化財に指定された。だが、震災と原発事故の影響で子孫が避難して空き家となり、老朽化が進んでいる。

 讃える会は昨年夏に設立され、全国に約250人の会員がいる。現在は志賀会長を中心に旧家を残そうと、子孫の了解を得て、記念館に置く予定の資料の保存や清掃を進めており、講演会などを開けるようにする計画だ。

 鈴木の子孫と元々交流があった志賀会長は、鈴木を主人公に憲法の成立過程を描いた映画「日本の青空」を見て、継承活動を始めた。自身も小高区出身。震災で被災し、現在は相馬市に住んでいる。震災後は被災地の現状を知ってもらおうと自主的にツアーなども行い、その中では必ず鈴木の旧家を紹介している。

 志賀会長は「鈴木さんのゆかりの地として大切な場所。特に若い世代に鈴木さんや憲法のことを知ってもらうため、記念館を造り、語り継いでいきたい」と話した。