「旅館文化の灯を消さない」 福島県内の温泉旅館女将有志集う

 
影響の長期化による窮状を訴えながら、知恵を出し合おうと呼び掛ける畠さん(奥左から2人目)ら

 新型コロナウイルス感染拡大の長期化で、影響を受ける県内温泉旅館。その現状を共有し打開策を見いだそうと、県内温泉旅館の女将(おかみ)ら有志が17日、福島市飯坂町に集まり意見を交わした。女将らは「暗いトンネルの中にいるようで先が見通せない」と窮状を訴えつつ、知恵を出し合って難局を乗り切る覚悟を共有した。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合のまとめによると、県内宿泊施設の延べ泊数は新型コロナの感染が拡大した昨年3月以降、前年同月を下回る状況が続き、観光支援事業「Go To トラベル」や「県民割」の効果で一時持ち直しはしたが、今年6月も前々年同月比43.0%にとどまった。

 集いには、浜通り1人、中通り5人、会津1人の女将が参加。開催地代表であいさつした吉川屋の畠ひで子さんは「旅館は世界の文化。決して灯を消してはならない」と呼び掛け、旅館こいと(いわき市)の小井戸文恵さんは、いわき市にまん延防止等重点措置が適用されたことに触れ「スポーツ団体の予約もなくなり、いつまで持ちこたえられるか分からない」と窮状を訴えた。福島市の土湯温泉観光協会副会長でもあるニュー扇屋の森山雅代さんは同協会のアンケートで予約を含めて今月5~31日に計439件のキャンセルがあったことを明かし「東京五輪でお客さまをお迎えしようと準備をしてきた。心が折れないようにしないと」と自身に言い聞かせた。

 参加した女将からは、影響の長期化による従業員のやる気の低下や取引業者への影響を懸念する声も出たが、司会を務めた山水荘(福島市)の渡辺いづみさんは「トンネルの中でもできることを継続して耐える。社員教育などにも取り組み、『前と変わった』と言っていただけるようにしたい」と前を見据えた。