福島労災病院長「デルタ株感染力強い」 接種や消毒、対策したが...

 
「対策を徹底したが広がった。デルタ株の感染力の強さだと思う」と話す斎藤院長=いわき市役所

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した福島労災病院(いわき市)の斎藤清院長は18日、市内で会見し、院内の感染の状況を明らかにした。県内で感染力が強いとされるデルタ株の感染が広がる中、斎藤院長は職員の陽性者11人中10人がワクチン接種済みだったことに触れ、「対策を徹底してきたがここまで広がった。デルタ株の感染力の強さだと思う」との見解を示し、対策のさらなる強化が必要との考えを示した。

 同病院は重症患者に対応する二次救急指定病院となっているが、救急患者受け入れや入院診療の制限が続く。濃厚接触者として自宅待機する看護師らは18日現在、一般病棟を中心に63人おり、斎藤院長は「他の病棟の看護師がカバーをしており、診療を制限しなければ病院が回らない状況」と危機感をあらわにした。

 同病院での感染は、基礎疾患がある人や重症患者を受け入れる一般病棟で広まった。

 10日に同病棟で働く看護師が発熱し、PCR検査で最初の陽性が判明。全病棟の患者約250人や看護師ら職員約470人、委託事業所の職員約150人など計約870人を検査し、18日までに入院患者19人、退院後患者4人、看護師ら職員11人、委託職員1人の計35人の陽性が分かった。

 看護師たちは日ごろの業務でたん吸引や食事の介助などがあり、患者との接触が避けられないため、検温や手指消毒のほかゴーグルやマスクを着用するなど対策を徹底。入院患者も事前に検査し、陰性を確認した後に受け入れてきた。斎藤院長は「それにもかかわらず入院後に感染が判明している。クラスターの原因の特定が難しい」と現状を語った。また県の感染対策支援チームから、院内の換気が十分に自動でできていないと指摘されたことも明らかにした。