東京・鶯谷の銭湯を彩る生の芸術 青木さん、星さんの壁画展示

 
男湯に展示されている青木さんの「会津磐梯山」

 絵画の創作に取り組む郡山市の青木尊さん(52)と星清美さん(49)の作品が、東京・鶯谷の銭湯「ひだまりの泉 萩の湯」に展示されている。知的障害のある青木さんと星さんは既存の美術の枠にとらわれない「アール・ブリュット(生(き)の芸術)」の分野で活躍しており、銭湯のために独創性あふれる壁画を手掛けた。展示期間は、東京パラリンピックが閉幕する9月5日まで。

 2人は、はじまりの美術館(猪苗代町)を運営する安積愛育園(郡山市)の創作プロジェクト「unico(ウーニコ)」の一員。都内4カ所の銭湯を舞台にした芸術祭「TOKYO SENTOフェスティバル2020」に招待され、壁画を描き下ろした。

 作品が海外でも高く評価されている青木さんは男湯を担当。高さ約1.8メートル、幅約6.3メートルの「会津磐梯山」は色とりどりに描かれた山並みが、見る人を圧倒するような大作だ。

 女湯の壁画を制作した星さんは大好きな題材の「どうぶつ」を描いた。高さ約1.8メートル、幅約4.6メートルのキャンバス全体に、力強い筆致と大胆な色使いで、さまざまな生き物を表現した。

 芸術祭は、新型コロナウイルスの影響で東京五輪・パラリンピックと同様、開催が1年延期された。はじまりの美術館の岡部兼芳館長によると、2人はコロナ禍で創作の機会が限られた分、じっくりと構想を練り、少しずつ作品を仕上げていったという。

 浴場の洗い場には2人の代表作を円形にかたどった絵画も並んだ。作品を観覧したい人は銭湯を利用する必要がある。
 休業日の17日は一般に開放され、来場者が作品に見入った。

 岡部館長は「お風呂にゆったりと漬かりながら、2人の世界観に浸ってほしい。2人が表現する力強さ、面白さを原画から感じ取ってもらえればうれしい」と話した。