「避難路」スマホが案内 持病踏まえ確実に、若松で試験運用へ

 
会津若松市で試験運用が始まる「デジタル防災システム」の画面のイメージ。現在地や避難経路を地図上で確認できる

 会津若松市の「スーパーシティ構想」に参加するコンサルティング大手アクセンチュア(東京都)と通信大手ソフトバンク(同)が、災害発生時に避難場所への行き方を案内する「デジタル防災システム」を共同開発した。両社によると、スマートフォンの位置情報と利用者の健康情報を組み合わせた初のシステムとされ、持病や障害などを踏まえた一人一人に最適な避難場所を導き出すことができるのが特徴。年度内に会津若松市で試験運用し、全国への普及につなげたい考えだ。

 同システムは、自治体から避難指示が出されると、スマホの位置情報を自動で取得する。利用者がどこにいるかを確認した後、周辺のハザードマップや道路の破損、避難所の混雑などの情報を組み合わせて避難場所への経路を示す。

 健康情報とつながっていることから、体が不自由な人には移動が難しい避難場所などを避けて案内する。外出先など土地勘がない場所で被災した場合にも、最も確実なルートを知ることができるのが利点だ。個人情報保護のため、対象は関係する情報利用に事前同意した人に限られる。別々に避難した家族の位置情報や避難状況の確認もできる。

 また、災害発生直後に利用者のけがの有無や、救助の必要性を把握する機能も備えた。システム起動時に「無事です」「けがをしています」「救助を求めます」の3択が表示される。利用者の回答は自治体と共有され、救助を求めている利用者の場所をピンポイントで特定し、迅速な救助につなげることに役立てられる。

 システム開発に関わったアクセンチュア・イノベーションセンター福島(会津若松市)の中村彰二朗センター共同統括(58)は、「福島県は東日本大震災、東日本台風(台風19号)で大きな被害を受けた。一人でも多くの命を救うため、早期の運用開始を実現したい」と意気込みを語る。

 会津若松市は現在、健康・福祉などさまざまな分野の行政サービスの情報を連携させるサイト「会津若松プラス」を運用している。デジタル防災システムは、サイトの新たな機能として追加される予定だ。

 市の担当者は「スーパーシティの構想が進めば、市民の健康情報をより詳細に把握できる。デジタル防災システムによる避難案内の精度も高まり、市民の安全につながる」と期待する。