復興庁5774億円で調整 処理水風評対策、新たに水産業販促事業

 

 復興庁が2022年度予算の概算要求で総額を5774億円とする方向で調整していることが23日、分かった。東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針の決定を受け、風評を懸念する漁業者への支援策を盛り込んだ。新規事業として、本県などの水産物・加工品の販売促進を後押しする「水産業復興販売加速化支援事業」を設け、41億円を要求する。

 漁業者への支援を巡っては、本県漁業に特化した「福島県次世代漁業人材確保支援事業」も新設した。漁業を志す人材の長期研修を支援するほか、就業に必要な漁船や漁具のリース代補助などを想定しており、4億円を要求する。

 復興施策の枠組み別にみると、主に本県復興に用いられる「原子力災害からの復興・再生」の分野には要求額の7割を超える4428億円とすることで調整が進められている。このうち、被災地の環境整備や移住・定住などを支援する「福島再生加速化交付金」は708億円を要求する。

 このほか、風評払拭(ふっしょく)・リスクコミュニケーション強化対策に本年度予算並みの20億円を要求している。また、処理水の海洋放出に伴う風評の防止に向け、被災地で海の魅力を生かした国内外からの観光誘客を図る「ブルーツーリズム」の取り組みを支援するため、3億円を要求する見込み。

 一方、浜通りに整備を検討する国際教育研究拠点の関連事業費は、金額を示さない「事項要求」とする。政府は本年度、基本構想の策定を進めており、予算編成の中で事業費を絞り込む。

 概算要求は与党内の議論を経て、31日にも決定する見通し。