乳歯の放射線量、違いは確認できず 原発事故前後7000本を調査

 
今後の研究について話す海野会長

 県歯科医師会と奥羽大、東北大は23日、県内外の子どもたちから提供を受けた乳歯に取り込まれる放射性物質の放射線量を調べた結果、東京電力福島第1原発事故前後で違いは確認できなかったと発表した。福島市で記者会見した県歯科医師会の海野仁会長は「被ばくを心配するような値は出なかった。安心してほしい」と話した。

 胎児の頃から3歳までに形成される乳歯には、飲食物などから放射性物質が取り込まれ沈着し、代謝現象がないためそのまま保持される。研究では、原発事故で飛散した放射性物質の影響を調べるために乳歯の提供を求めた。

 昨年までに県内から約6000本、県外から約1000本の乳歯が集まり、東北大が乳歯の形成された時期を原発事故前後に分けて放射線量を測定した。結果、原発事故後に形成された乳歯の放射線量は、事故以前に形成された乳歯に比べ数値の差は認められなかった。また、本県の乳歯の放射線量は他県と比べて低い値を示した。

 乳歯が抜けるには6~12年かかることから、震災後に形成された乳歯の提供はまだ少ない。研究チームは、これから集まってくる乳歯を継続的に調べることが重要だとしている。