若者の不安拭おう 新型コロナワクチン接種、正しい情報発信課題

 

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、若者世代への正しい情報発信が課題となっている。県内で20代以下の若年層の感染が増加する一方「年齢が若いほど接種を避ける傾向があり、根拠に基づかない情報でワクチンの信頼性が損なわれている」との研究機関の調査結果もあり、専門家は接種の利点を伝えたり、社会的な仕組みを整備したりする必要性を指摘する。

 「打ちたい気持ちはあるが、副反応が怖い」。福島市の高校3年の男子生徒(17)は率直に胸の内を明かす。ワクチンを接種した後、副反応に苦しんだ知人がいて「けいれん、高熱など今まで体験したことがないような症状が起きるのではないか」との不安が拭えない。福島大4年の女子学生(21)も感染力の強い変異株が流行する中、ワクチンの効果に疑念を抱いている。「副反応もあるし、リスクを背負ってまでは打ちたくない」

 インターネット上には「ワクチンを打つと不妊になる」といった根拠のない情報も出回っていて、同省は正しい情報の発信に努めている。ただ、若者世代には十分に浸透していないのが現状だ。

 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが福島医大などと行った調査によると、対象の全国2万6000人のうち「ワクチンを打ちたくない」と回答した人は全体の11.3%。このうち65~79歳は男性が4.8%、女性が7.7%なのに対し、15~39歳では男性が14.2%、女性が15.6%といずれも2倍以上となった。同センターは「(一定割合の人々が免疫を持つことで感染拡大を抑える)集団免疫の獲得にワクチン忌避が大きな障害となる」とした上で「ワクチンの信頼性を高めるような支援が必要だ」と指摘する。

 坪倉医師「感染拡大防止の切り札」

 相馬市のワクチン接種に助言を行っている坪倉正治医師(39)は「若者の接種率を上げるためには、集団免疫の考え方を伝えるとともに、若い人にとって接種が利点となるような社会的な仕組みを作っていくことが重要だ」と提言する。一例として「海外旅行で、ワクチンを接種していなければ入国できない国が増えれば接種したい人が増えるのでは」と考えを語る。

 ワクチンを巡る誤った情報が今後も増えていく可能性があるとの見方も示し「ワクチンは感染拡大防止の切り札の一つであり、しっかり進めないといけない。誰もが手軽に接種できる体制を構築すべきだ」と訴えた。