地層からの宝物発見に喜び 化石発掘で成果、福島県博の猪瀬さん

 
「化石はその土地の歴史を解明することにもつながる」と話す猪瀬さん

 県内でセイウチの仲間「鰭脚類(ききゃくるい)」やカキの仲間「コンボウガキ」の群れなど、貴重な化石発掘成果が続いている。いずれも発掘に携わったのは、県立博物館(会津若松市)の主任学芸員猪瀬弘瑛(ひろあき)さん(38)。猪瀬さんは「世界中の誰も見たことがない『宝物』を見つけたときの喜びは大きい」と化石発掘の魅力を語る。

 茨城県出身の猪瀬さんが化石に興味を持ち始めたのは小学生の時。大好きな恐竜の図鑑を見て大きさと歴史に圧倒され「化石にロマンを感じた」。地層の研究がしたいと進学した筑波大時代から、県内での化石発掘に力を入れてきた。

 2016(平成28)年には、広野町の地層から国内最古となる落葉針葉樹タセコイアの球果の化石を発見。しかし、実は猪瀬さんの目的は別の化石だった。「全く狙っていなかったのでラッキーだった。化石には割ってみないと何が出てくるか分からない面白さがある」

 猪瀬さんによると、県内には断層が集まる地点がいくつかあり、化石が多く発掘される。かつて海中にあったとされる檜枝岐村の地層からは、北極に生息する貝類の化石が見つかったという希少な事例もあり、現在、研究が進められているという。「化石は、その土地の歴史を解明することにもつながる。発掘作業の8割は収穫がないが、残りの2割には想像もできない出合いがある」。猪瀬さんは今後の新たな発見に期待を膨らませる。

 クジラの化石展示

 県立博物館では、ポイント展「発見!ハナワクジラ」が開催されている。猪瀬さんらが塙町で発掘したハナワクジラと鰭脚類の化石をエントランスホールに展示している。9月26日まで。問い合わせは同館(電話0242・28・6000)へ。