自宅改装「民話伝承」新拠点に 新地町郷土史会長、お披露目公演

 
お披露目の公演で郷土の昔話を語るトメヨさん

 郷土の民話を伝承するための拠点「小川観海堂(仮称)」が新地町小川に完成した。町郷土史研究会長の小野俊雄さん(70)が自宅敷地の建物を改装して民話の公演会場を設けた。小野さんは「語り部の交流の場として活用してほしい。やがてここから、次の世代に民話を伝える人が育ってくれれば」と願う。22日、同所をお披露目する民話公演が開かれた。

 町内では、東日本大震災が発生するまで県指定史跡「観海堂」(新地町谷地小屋)で定期的に民話が語られていたが、津波により建物が流出した。活動の場が失われたことで、地元の語り部の会「新地語ってみっ会」などが昔話を披露する機会が減少していた。

 こうした状況が続く中、小野さんは「民話は語られなければ、途絶えてしまう」と危機感を募らせ、私費を投じて新たな拠点をつくろうと決意した。かつて自宅母屋として使っていた建物の間取りを変更して、広間をつくり、語り部の会の公演会場や稽古場として開放することにした。

 お披露目の公演には、同町の最年長の語り部小野トメヨさん(97)らが招かれた。地域で「あんこ地蔵」として親しまれる石仏にまつわる昔話をトメヨさんが語り出すと、来場した約25人がじっと耳を傾けた。

 今後、同所では定期的に民話の公演が開かれる予定。小野さんは「活字では伝わらない、口で語られる民話の魅力を多くの人に体感してほしい」と呼び掛けている。

 次回の公演は、9月12日午後1時30分から。再びトメヨさんらが語る。定員は先着15人。入場無料。

 問い合わせは小野さん(電話0244・62・2557)へ。