伝統の曲と技、後輩に 相馬高太鼓部、3年生引退遅らせ指導

 
後輩と一緒に練習を重ねる(左から)佐藤夕華さん、佐藤洵さん

 多くの高校3年生が部活動を引退する中、相馬高3年の佐藤夕華さん(17)と佐藤洵さん(18)の2人は、太鼓部で後輩部員の指導を続けている。3年生を除けば、部員は今春入部したばかりの1年生のみ。2人は先輩から受け継いだ相馬太鼓の楽曲や技を伝えたいと後輩との稽古に熱を込める。

 本年度は3年生だけで活動を始めた。新たに1年生7人が入部して、休部の危機を脱したが、3年生が引退する7月下旬まで、部内で伝わる五つの曲目を全部教えることはできなかった。そんな中、全ての曲を伝えたいと2人は残留を決意した。佐藤夕華さんは「相馬太鼓は激しく、抑揚のある演奏が特徴。受け継がれた形を伝えたい」と語る。

 太鼓部は9月12日、本宮市で開かれる日本太鼓ジュニアコンクール県支部大会に出場する。入学直後の部活動紹介で、3年生の演奏に引き付けられ、入部したという1年の山本夢乃さん(15)は「残ってくれた先輩に恩返しできるような演奏をしたい」と意気込む。

 佐藤洵さんは「チームワークが一番大切。団結して、いい演奏ができるよう、1年生をサポートしたい」と後輩を思いやる。今後、進路が決定した3年生も再び後輩の指導に加わる予定。全ての曲目を伝え終わるのは、来年1月になるという。