高畑充希さん「朝日座はとても居心地が良い場所」

 
郡山市を訪れた(左から)大久保さん、高畑さん、タナダ監督

映画「浜の朝日の嘘つきどもと」福島県内先行公開

 南相馬市の映画館「朝日座」を舞台に、福島中央テレビ(中テレ)などが製作した映画「浜の朝日の嘘(うそ)つきどもと」の県内先行公開が始まった。主人公の茂木莉子(もぎりこ)を演じた高畑充希さん、莉子の恩師役で出演した大久保佳代子さん、脚本と監督を務めたタナダユキさんに、作品への思いや県内ロケの思い出などを聞いた。(佐藤香)

 ―撮影をした「朝日座」の印象は。
 タナダ監督 入り口に、チケットを購入する小窓の付いたスペースがあって、こういう造りの映画館は今はほとんどない。こんな映画館が残ってくれていたんだと、うれしかった。

 高畑さん 昔から古い建物が好きで、朝日座はどこを切り取っても絵になる。とても居心地が良い場所だった。

 大久保さん 夕方、朝日座から外を見ると、すごくノスタルジックですてきだった。

 ―ヒロインの莉子は、一見適当で奔放な印象だが、実は恩師との約束を果たすために奮闘する、芯の通った女性だ。高畑さんが演じるうえで心掛けたことは?
 高畑さん なるべく、悲劇のヒロインとか、かわいそうな感じにはならないようにした。あっさり、さっぱりしている部分を残したかった。

 ―県内各地でロケを行ったが、思い出やエピソードは。
 高畑さん (撮影はコロナ下の昨夏だったので)ホテルとロケ現場との行き来だけだった。でも1回だけちょっとお酒が飲みたいと思って近所の焼き鳥屋を調べて、一人でふらっと入って、すごく楽しかった。

 大久保さん ドライブのシーンの撮影で行った浄土平には、もう一度ゆっくり行きたい。本当は福島のおいしい物を食べたりお酒を飲んだりしたかった。その代わりに駅で日本酒を買って帰って、家で福島を思いながらちびちび飲みました。

 ―県内の人にメッセージをお願いします。
 タナダ監督 福島県の人なら知っている景色が出てくるかもしれない。肩肘張らずに、ちょっと映画館でも行ってくるか、という感じでふらっと見に行ってもらえるとうれしい。

 大久保さん "人って嫌だな"って思ってしまうときこそ見てほしい映画。そして"やっぱり人とつながっていたいな"と思ってくれたらいいなと思います。

 高畑さん 今、作ることができてよかったと思える作品になった。見た後にほっこりする、あったかい物語です。あと、古い映画もいろいろ出てきて、映画愛が詰まった作品になっています。ぜひ、お気に入りの映画館で見てほしいです。

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 あらすじ 100年近い歴史を持つ南相馬市の映画館「朝日座」。ある日、茂木莉子と名乗る女性(高畑さん)が支配人の森田保造(柳家喬太郎さん)の前に現れる。莉子は「朝日座を立て直す」という高校時代の恩師・田中茉莉子(大久保さん)との約束のため東京からやってきた。すでに閉館が決まり、諦めていた森田だが、莉子の熱意に少しずつ心が動かされていく。

 ほかに、甲本雅裕さん、佐野弘樹さん、神尾佑さん(いわき市出身)、斉藤暁さん(郡山市出身)、竹原ピストルさん、光石研さん、吉行和子さんらが出演する。

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福島県民限定割引チケット

 9月10日の全国ロードショーに先駆け、県内で先行公開する。郡山テアトルは上映中。9月3日からフォーラム福島、イオンシネマ福島、ポレポレシネマズいわき小名浜で公開する。

 4館で使用できる特別割引チケット「福島県限定共通鑑賞券」を販売している。購入は各映画館または福島民友新聞販売店、みどり書房各店にて。一般1100円(税込み)。