沖合底引き漁9月1日再開 相馬双葉漁協、計画2年目

 
9月1日の漁再開に向けて各漁船では準備が進められている=相馬市尾浜

 相馬双葉漁協の沖合底引き漁が9月1日、2カ月間の休漁期を経て再開される。昨年度から始まった県漁連の新たな漁業復興計画に基づく操業は2年目に入る。5年間の計画期間の初年度(昨年9月~今年6月)は、水揚げ量が1年目の目標を21%上回る1850トンと好調だった。だが、最終的な目標達成に向けては現在の操業体制の見直しや販路の拡大などの課題がある。

 計画は国の「がんばる漁業復興支援事業」の認定を受ける。東日本大震災前の2割余りにとどまっていた水揚げ量を段階的に増やし、2024年度に約6割(2888トン)まで引き上げる方針を掲げた。計画達成に向け、沖合底引き漁船23隻のうち7隻の新造などを打ち出した。

 初年度は新造船5隻を導入し、不要になった中古船を老朽船に乗っている漁師に譲ることで漁船群全体の機能性を底上げした。ヤナギダコ、ヤリイカなどの漁獲も順調で、2年目の目標1805トンも上回った。

 だが、同漁協の担当者は「震災前の5割程度の水揚げを目指す3年目の目標を達成するためには、現在の操業体制では限界がある」と指摘する。かつて宮城県―千葉県海域で1泊2日から2泊3日で操業していた底引き漁は、震災後に本県沖での日帰り操業に縮小された。目標達成には、現状で1航海当たり1.97回となっている引き網回数を増やす必要があるという。一方で、水揚げ量の増加に従い段階的に販路を拡大させることも不可欠だが、東京電力福島第1原発の処理水問題が影を落とす。

 原釜機船底曳網船主会の高橋通会長(66)は「後戻りはできない。復興に向け、どんどん階段を上るように漁獲量を増やしていくしかない」と話した。