「勿来魚市場」本格再開 10年半ぶり、被災を乗り越え地元活気

 
勿来魚市場で再開されたいわき市漁協の入札販売

 いわき市漁協は1日、東日本大震災で大きな被害を受けた同市の勿来魚市場で、約10年半ぶりに本格的な入札販売を再開した。震災前の同市場は、市漁協管内で2番目に多い水揚げ量を取り扱っていた。関係者は被災を乗り越えた市場の復活に、漁業のさらなる振興を願っていた。

 勿来魚市場は、東日本大震災の津波により施設が大規模に損傷した。2010(平成22)年の水揚げ量は約1368トンだったが、17年3月にシラスとコウナゴに限定し一部再開するにとどまっていた。整備が進み、本県漁業も本格操業に向けた漁獲量拡大にかじを切ったため、本格再開を決めた。

 1日は市漁協勿来支所に所属する漁船が水揚げしたヒラメやアンコウなどの魚介類約40種、約700キロが入札にかけられた。同市の仲買人らが籠に札を入れる姿に、芳賀文夫支所長(69)は「震災から10年の年にようやく開場できた。地元に活気が戻ってくれるとうれしい」と話した。

 市漁協によると、同魚市場は週4回開かれる。震災後、勿来漁港に水揚げされた魚介類は市内の沼之内魚市場に陸送されていた。今後は他市場へ移動する手間が省け、より多くの操業時間を確保できるほか、新鮮な海産物をいち早く流通させることが可能になる。

 魚市場には、震災前に入札に参加していた茨城県の仲買人の姿も見られた。漁協関係者からは、市場の本格再開が県外への流通増につながるのではないかと期待する声も上がっている。