被害者「責任はっきりと」 郡山の爆発事故、補償いまだ不透明

 

 郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で昨年7月にガス爆発が起きて1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故、発生から1年以上たち、爆発事故は新たな展開を迎える。現場近くの自宅が全壊判定を受けた男性は、書類送検に向けた捜査が進んでいることに「明るい兆しが見えてきた」と話した。

 郡山地方消防本部によると、事故による損害額は建物232棟、車両57台などを合わせて約12億2600万円に及ぶ。当時の店運営会社などは事故後、責任の所在が判明するまでの暫定措置として被害対応基金を設立。だが、支払いは治療費や見舞金、保険対象外の物的損害にとどまっているのが現状だ。

 全壊判定を受けた男性は保険を使って自宅を修繕したが、補償については不透明な状態が続く。家屋が損壊するなどした周辺住民と「被害者の会」を発足するために準備を進めており、「補償の面だけでなく、同じような事故を二度と起こさないためにも、責任の所在をはっきりさせなければならない」と求めた。

 「前進するのかもしれないが、責任の所在がはっきりするまでは大きく進展したとは言えない」。事故で顔を粉砕骨折した女性(47)は心中を吐露する。これまでに4度の手術を乗り越えたが、今月10日にも手術を控える。「また痛い思いをしなければならないし、仕事も休まなければならない。捜査が終わっても、私はこれからもずっと事故と向き合わないといけない」と漏らした。

 女性の代理人を務める橋本琢朗弁護士は「やっと出発点に立つが、被害者の保護が十分とは言えない」と指摘。「被害者が置き去りにされることのないよう、今後の刑事手続きの動向を注視しながら、責任主体に対してしかるべき対応を求めていく」としている。