浪江出身ピアノ奏者「音楽で気持ちプラスに」 震災10年での思い

 
ステージで演奏を披露する吉田さん(右)と平沢さん

 浪江町出身のピアノ奏者吉田昂城(こうき)さん(25)は8月30日、いわき市のアリオスで開かれた演奏会に出演した。東日本大震災から10年を経て臨んだステージに吉田さんは「音楽の楽しさ、良さを県民の皆さんに伝えていきたい」と話した。

 吉田さんは震災後の2011(平成23)年8月に、国際ロータリー2530地区の支援で約20日間、オーストリアに滞在した。その後、13年からオーストリアに留学しており、現在はウィーン国立音楽大学に在籍している。

 「実家が被災して町の様子を見たとき想像したくない状況だった」と震災を振り返る吉田さんは「自分にとって音楽は裏切らなかった」という。自分の演奏を聞いて「少しでもプラスな気持ちになれば」と語る。

 新型コロナウイルス感染拡大で約2年間演奏活動ができなかったという吉田さんは、この日のステージにより親しみやすい楽曲を選んだという。「厳しい状況だからこそ、音楽を親しむきっかけになればうれしい」と話す。

 演奏会は国際ロータリー2530地区学友・平和フェローシップ委員会と同地区ロータリー学友会が、震災支援の感謝と新型コロナを乗り越えるためのエールを発信しようと開いた。

 朝の連続テレビ小説「エール」で歌唱指導した声楽家の梁取里(やなとりさと)さん(須賀川市出身)やロータリー学友のバイオリン奏者の平沢仁さん、吉田さんの友人のピアノ奏者藤川有樹さんを招いた。コンサートの模様は、同委員会のユーチューブチャンネルで配信した。