東京パラ・車いすバスケ初の決勝へ 豊島、逆転呼んだ堅守

 
車いすバスケットボール男子の英国戦、第1クオーターにシュートを放つ豊島(左)=有明アリーナ

 東京パラリンピック第11日の3日、車いすバスケットボールの日本男子は準決勝で英国を破り、「銀」以上が確定。豊島英(あきら)(32)=WOWOW、いわき市出身=は先発出場し、守備でチームの勝利に貢献した。男女を通じて初の決勝で5日に米国と対戦する。

 世界王者の牙城を破った。車いすバスケットボール男子は2018年世界選手権王者の英国に逆転勝ちし、初の決勝に進んだ。先発した豊島は「苦しい場面もあったが、最後までやりきり勝利につながった」と歓喜の輪で笑顔が輝いた。

 選択は間違っていなかった。10年前の3月11日。豊島の姿は東京電力の社員として福島第1原発にあった。惨劇を目にし「バスケットボールを続けていいのか」。重い十字架に、競技続行を諦めかけた時もあった。

 背中を押してくれたのが、2011年のサッカー女子ワールドカップを制した「なでしこジャパン」だ。同僚の鮫島彩さんの姿に決心がついた。「アスリートとして故郷に勇気を届ける」。東電を退社し、競技に全てを懸けてきた。

 あれから10年。最高成績7位の日本が初のメダルを決めた。豊島は「いつも通りのプレーを意識した」と約20分、ディフェンスに集中。試合終了のブザーに大半の選手が涙を浮かべ「(つられて)感極まった」と笑った。

 「最高のメンバー」と誇る12人の選手と挑む"王国"米国との頂上決戦。「最後まで自分たちらしく走り抜く」。世界の頂が見えてきた。(折笠善昭)