福島県から3人表彰 醸造技能者・調味食品部門

 

 日本醸造協会の本年度醸造技能者表彰の受賞者が決まった。本県からはヤマボシ醤油(しょうゆ)合名会社(白河市)の代表社員大槻安生さん(64)と、林合名会社(会津若松市)の品質管理部長・工場長長尾敬一さん(59)、山形屋商店(相馬市)の代表社員渡辺和夫さん(51)の3人が選ばれた。

 みそ、しょうゆ、食酢、酒類製造の事業所で、長年醸造に直接従事する人を同協会が表彰している。今年は本県の3人を含む全国の48人が受賞した。3人は調味食品部門で表彰を受けた。

白河市・ヤマボシ醤油合名会社、今後もお客さま第一

 1872(明治5)年創業の老舗の味を守る。「しょうゆ造りに貢献してきたことが評価された」と受賞を喜ぶ。

 今回の表彰では、30年以上にわたり職務に精励し、技術の向上と品質改善、後輩の指導育成に尽力してきたことが認められた。白河市出身。白河高、東海大工学部原子力工学科卒。会社員を経て、1989年に5代目を継いだ。以来、全国の品評会などで上位入賞を果たしてきた。

 「うちのしょうゆの特徴は香り、色合い。納得のいくしょうゆのため、今後もお客さまのことを第一に考えて造っていきたい」と強調。その上で、「全国の品評会で最高賞を受賞するのが次の目標」と意欲を燃やす。

会津若松市・林合名会社、品質管理手を抜かず

 「受賞は同僚など周りの人たちのおかげ。皆さんに感謝している」と喜ぶ。

 酒造会社に17年間勤めた後、2003(平成15)年に林合名会社に入社、しょうゆやみその製造などに関わってきた。主力の「特級醤油(しょうゆ)」などで全国醤油品評会の優秀賞を5回受賞。高い技術力が評価され、今回の受賞につながった。

 しょうゆの火入れでは風味を落とす酵母を除き、食欲をそそる香りを出す。「製造工程を一つでも怠ると商品の味、香り、見た目に影響が出る。どの工程も気が抜けない」

 新商品の開発や品質維持への思いも強い。「人の口に入るものなので品質管理は最も重要だ。今後も手を抜かずに作業に従事する」と力を込める。

相馬市・山形屋商店、発酵食ブランド向上

 「発酵食を通じて地域の味、古里の味を高めていきたい」と意気込みを語る。大学卒業後、銀行勤務を経て、しょうゆやみそ、甘酒などを作る1863(文久3)年創業の老舗に入社した。11年間腕を磨き、震災の翌年となる2012年、5代目を継承した。

 風評被害が深刻さを増す中、県内の醸造元が集う勉強会に参加して研さんを重ねた。13年の全国醤油(しょうゆ)品評会では、初出品で最高賞「農林水産大臣賞」を獲得し、周囲を驚かせた。「日本一」は通算4度に及び、品質の高さで風評をはねのける「醸造王国ふくしま」の一翼を担う。「おいしい発酵食を作り続けることで福島のブランドの価値向上に努めたい」。さらなる高みへ覚悟を新たにする。