東京パラ、競技普及の追い風に 福島県内関係者知恵絞る

 
日本パラサイクリング連盟が開いた体験教室。競技の普及を目指して地道な活動を続ける

 連日の熱戦が続いている東京パラリンピック。県内のパラスポーツ関係者は「パラスポーツに関心を持ってもらい、裾野が広がるきっかけになれば」と、普及や競技人口の増加に期待を寄せる。新型コロナウイルスの感染拡大により、体験会などを開く機会が限られる逆風の中、自国開催の障害者スポーツの祭典をいかに「追い風」にしていくか。県内で各団体が知恵を絞っている。

 「新たに始める人を増やしながら国際大会を目指す選手も発掘していきたい」。県障がい者スポーツ協会の担当者は力を込める。協会主催の障害者が運動に触れることができる教室の参加者は、2016(平成28)年の266人から年々増え、19年は1215人となっていた。

 東京大会へと確かな盛り上がりを感じ、さらなるパラスポーツとの出合いの場をつくろうと奔走していた時に、新型コロナの感染拡大が始まった。パラスポーツ関連の行事などは感染防止対策を講じながら徐々に再開しているが、基礎疾患を抱える人の多い障害者にとって、参加しづらい状況が続いている。

 県内で活動する車いすバスケットボールチーム「チームアース」は、感染症対策で練習を週に2、3回から月に1回に減らした。それでも、介助してくれる家族への感染を恐れて練習の参加を控えざるを得ない選手もいるという。

 同チーム発足に携わり、車いすバスケットボール女子日本代表としてパラリンピックに4度出場した増子恵美さん(同協会)は、長引くコロナ禍が選手の意欲低下につながると懸念する。さらに、「障害者は長く運動しないことで免疫力が落ち、身体機能が低下してしまう」と健康面への悪影響も指摘する。

 「(競技としての)認知度はまだまだ」と受け止めるのは、東京パラリンピック自転車競技総監督の権丈泰巳さん(49)。権丈さんは、いわき市に拠点を置く日本パラサイクリング連盟の専務理事を務め、選手の合宿や自転車の体験会などを開いてきた。しかし、普及が十分に進んでいるとは言えないのが現状だ。

 同市のサイクルツーリズム振興にも協力する権丈さんは、多くの人にパラサイクリングを知ってもらうための環境整備と、小規模でもいいからイベントを定期的に開催することが重要と話す。

 「障害の有無にかかわらず自転車に触れる機会を増やせば、認知度は上がるだろう。パラリンピックが終わってからが本当の勝負」と権丈さん。誰でも気軽に"スポーツ"を楽しめる環境づくりへ、さらなる挑戦が始まる。