浪江再開発にデザインの力 隈研吾さんら4者、まちづくりへ協定

 
浪江駅周辺施設の構想イメージ図

 浪江町は5日、隈研吾建築都市設計事務所、伊東順二事務所、住友商事と、デザインの力で町の復興とまちづくりを進める連携協定を結んだ。新国立競技場を設計した建築家隈研吾さんをはじめ4者が協働してJR浪江駅周辺の建物や都市空間を設計し、震災と原発事故からの復興と未来のまちづくりに取り組む。

 両事務所が駅周辺の約8ヘクタールの建物や都市空間などのデザインや設計を担当、町や住友商事が推移する水素や再生可能エネルギーとの調和を図る。「町の顔」である駅周辺のにぎわいを創出し、地場産業の振興、町の活性化と情報発信につなげる。

 震災と原発事故で甚大な被害を受けた町は、生活インフラなどの復興は進んできたが、町内居住者が震災前の1割弱にとどまる。町は3月、帰還者や移住者を増やそうと「浪江駅周辺整備計画」を策定、駅周辺の再開発に向けて動き始めた。

 町は本年度、隈さんらの協力で再開発に関する「マスタープラン」を作る。その後、4者で連携して交流施設と公営住宅、駅東西自由通路などの設計、商業施設と民間マンションの外観デザインなどを手掛け、2026年度までの整備完了を目指す。

 町役場での協定式で、隈さんが「水素や再エネ、木材を生かした環境モデルとして世界に発信できる未来のまちづくりを進める」と話し、伊東さんは「伝統文化と新産業が融和した浪江の未来をサポートしたい」と述べた。吉田数博町長は「デザインの力で、目に見える形で町の復興を伝えたい」と期待を込めた。

 町は、水素の利活用に関する協定を結んでいた住友商事の仲介で隈さんと伊東さんの協力を得た。