「可能性に限界はない」 東京パラ閉幕、力出し切ったアスリート

 
大型ビジョンに映し出された「ARIGATO」の文字=5日夜、国立競技場

 障害者スポーツの祭典が幕を閉じた。新型コロナウイルスの世界的流行による1年間の延期。前例のない中、力を出し切ったパラアスリートの姿は人々の記憶に深く刻まれたはずだ。

 「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」。パラリンピックの父が残した言葉を、パラアスリートは13日間にわたって"自慢の体"で表現した。

 12日前の開会式。「翼」をテーマに障害者スポーツは幕を開け、選手たちは可能性に向かって羽ばたいた。巧みな車いすさばき、義足での跳躍。目を見張るパフォーマンスにくぎ付けにされた。全盲のランナーがガイドと呼吸を合わせて駆け抜ける姿は、「多様性と調和」を象徴する一場面だった。

 閉会式では、次回の夏季大会開催地のパリと中継が結ばれた。難病を患いながらも、眼球の動きだけで活動するアーティストが映し出され、人間の可能性に限界はないと改めて実感した。

 震災10年の節目に開催された「復興五輪」が終わった。パラリンピックでも県産果物は選手らに振る舞われて好評だったが、国立競技場に映し出された「ARIGATO」を直接伝えられなかったことは心残りだ。(折笠善昭)