IT業界40年の技伝授、プログラミング人材「いわきIT塾」開設

 
「若い世代のためにプログラミング技術を伝えたい」と話す佐久間さん(右)と中田さん

 情報システム開発のユーサイドシステム社長佐久間邦雄さん(72)は、いわき市で「いわきIT塾」を新たにつくり、教職員や情報技術者らを対象にプログラミングの講習を開始した。若い世代への効果的なIT(情報技術)教育が必要との思いを持つ佐久間さんは「いわきからIT人材を全国に輩出していきたい」と意気込んでいる。

 佐久間さんが講習を始めた背景には、2020年から小学校で必修化されたプログラミング教育の実情がある。教える側に専門的な教育を受けている教員が少なく、佐久間さんは「全国的に学校の現場で『誰が、どのように、何の(プログラミング)言語で教えるか』が確立されておらず、先生たちが苦労している」と語る。

 40年近くプログラミングに携わってきた佐久間さんは、ソフトウエア開発業界で効率や生産性のみが重視され、技術者が大手の下請けの派遣業と化してしまっている現状にも危機感を持つ。「IT業界に入る優秀な人が少なくなって技術が継承されない。世界にソフトウエア開発で遅れを取ってしまう」。

 こうした状況から、佐久間さんは中田泰一さん(72)ら高校の同級生たちとIT塾をつくった。プログラミング言語の中でも幅広い分野で活用されている「パイソン言語」が主流になると考え、同言語を自動形式でマニュアルに沿ってプログラム操作できる技術を開発し、講習を進める。

 将来的には学校で教員をサポートする指導員や、職業訓練などで活用してもらうことで技術者育成につなげる考えで、全国でのIT塾のフランチャイズ化を視野に入れる。

 ただ、7月にいわき市で初めて開いた無料講習には14人が参加したが、期待していた教職員や市職員、商工関係者らの姿はほとんどなかった。このため、秋ごろには全国から参加者を募り、リモートでの無料講習を開催することで裾野を広げる考えだ。

 佐久間さんは「花咲かじいさんとして自分の技術を伝え、若い世代が夢を持ってもらえるように努めたい」と話している。問い合わせはユーサイドシステム(電話0246・60・8257)へ。