中ノ沢こけし「たこ坊主」文化継承へ 猪苗代、祭りや学校で啓発

 
大きく見開いた目が特徴の中ノ沢こけしの「たこ坊主」

 猪苗代町発祥の中ノ沢こけしを代表するこけしの種類「たこ坊主」が2022年に誕生から100周年を迎える。町内の若手経営者らでつくる中ノ沢こけしプロジェクト実行委員会は貴重な文化資産を引き継ごうと、100周年を記念した「こけし祭り」を開催するほか、町内小中学校でこけし文化の啓発活動に取り組む。10月17日には祭りの一環で絵付け体験などを行う「前年祭」を開く。

 中ノ沢こけしは、長年にわたり土湯系の亜流とされていたが、デザインの独自性から18年に伝統こけしの新系統「中ノ沢系」として独立呼称が認められた。代表的な「たこ坊主」は大きく見開いた目が特徴で、1922年に中ノ沢温泉に移り住んだ工人岩本善吉が生み出した。現在は7人の工人が、岩本らの技術を受け継いで活動している。

 実行委は、中ノ沢こけしの文化を継承するとともに観光振興につなげるため、工人との交流機会を増やすなど認知度向上を目指す。前年祭は10月17日午前10時から、同町の中ノ沢体育館で開く。こけし展示や工人の紹介、絵付け体験のほか、地元飲食店が出店し盛り上げる。「こけし発掘プロジェクト」と題して、町内の各家庭にある中ノ沢こけしを持参してもらい、会場で紹介する。100本限定でこけしの寄付も受け付ける。

 プレイベントに並行し、町内小中学校で子どもたちにこけし文化の大切さを伝える活動や、会員制交流サイト(SNS)などを使った情報発信も進める予定。実行委の氏家利康委員長(平沢屋旅館専務)は「100周年記念の活動を通して中ノ沢温泉とこけし、町内を盛り上げていきたい」と話している。

 プロジェクトの問い合わせは実行委(メールinfo@nakanosawa‐kokeshi.jp)へ。