福島県内で「外来種のカミキリムシ」発生 街路樹被害が相次ぐ

 
トチノキで交尾するツヤハダゴマダラカミキリ=伊達市梁川町

 県内で外来種のカミキリムシ「ツヤハダゴマダラカミキリ」が発生し、街路樹などが立ち枯れてしまう被害が広がっていることが、福島虫の会の調べなどで分かった。海外では、果樹に食害を与えることも報告されており、県内での分布拡大が懸念されている。

 ツヤハダゴマダラカミキリは、外来種として米国や欧州、オーストラリアなどの各地に侵入し、幼虫が樹木内部を食い荒らし枯らしてしまうなどの被害が出ている。在来の生態系や人間の生活に大きな影響を与えることから、国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」に認定されている。

 外見は在来種のゴマダラカミキリとよく似ている。在来種は前胸背に白い斑紋があり、鞘翅(さやばね)の付け根付近がごつごつしている。問題のツヤハダゴマダラカミキリは、前胸背に白い斑紋がなく、鞘翅の付け根付近が滑らかになっているのが特徴だ。

 研究者の論文などによると、これまでに国内では神奈川(2002年)、兵庫(昨年6月)、茨城(今年7月)などで報告がある。

 県内で初めて確認されたのは、今年の8月7日のことだった。白河市出身の佐藤仁美さん(26)が、帰省中に同市みさか地区のトチノキの街路樹で見つけ、学術誌に報告した。その後、福島虫の会の三田村敏正さん(61)=伊達市=が同市梁川町の山林で調べたところ、交尾する個体などを多数発見した。

 福島虫の会はさらに調査を進め、福島市の清水町や松川町、上町の街路樹でも成虫を確認した。福島大の構内でも、10本の木から雌雄15匹が確認された。いずれもトチノキで、幹には成虫の脱出穴や産卵痕が多数あり、すでに枯れてしまった木か、枯れる寸前の木がほとんどという。一部では枯れて枝が落ちる危険があるため、すでに伐採した地点もある。

 三田村さんは「すでに県内に広くまん延している可能性があり、早急に調査する必要がある。海外ではバラ科の果樹被害も報告されているので、完全に定着した場合には深刻な農業被害を受ける可能性もある」と注意を促している。