【いわき再起動】コロナ・医療/医師増員へ育成急務

 
福島市や郡山市より12歳以上のワクチン接種が遅れているいわき市。感染拡大防止のため接種の加速化が求められている

 新型コロナウイルス第5波で感染が急拡大し、県内市町村で最多の感染者数が確認されているいわき市。福島民友新聞社が実施した市長選の世論調査では「新型コロナ対策」と「医療の充実」に関心が集まった。ワクチン接種の加速化など、市民の命を守るための課題は山積している。

 市内ではクラスター(感染者集団)が相次ぎ、8月の感染者数は過去最多だった4月の306人から約3倍の1136人に上った。一時は病床がほぼ満床となり、自宅療養者が県内の半数を占めるなど、地域医療は逼迫(ひっぱく)した。

 感染拡大に伴い、医療体制の充実を求める声はより高まった。一方、厚生労働省の統計によると、2018年12月末現在、いわき市の人口10万人当たりの医師数は全国平均の246.7人を下回る167.1人で、中核市の中で下から4番目。病院と診療所で勤務する医師の平均年齢は全国平均の49.9歳に対し56.4歳で高齢化も進んでいる。

 こうした現状に内田広之氏は「感染状況に応じた積極的なコロナ対策」や「医師不足解消」を公約に掲げた。感染対策では、不特定多数が集まる場所でクラスターが発生した場合、早期に感染を抑え込むため積極的に情報を開示する考えだ。また、医師不足解消に向けた委員会をつくり、診療科目ごとに不足数を数値化し分析、医師増員に向けた計画をつくる方針。医療人材育成のため、小、中学生の年代から地域の医療従事者と交流したり、学習支援を行う必要性も指摘する。

 収束が見通せない新型コロナウイルスに対し、地域医療を支える医療従事者や市民の不安は募り続けている。慢性的な医師不足の構造に「メス」を入れ、医療体制充実につながる効果的な打開策を講じられるか。内田氏の手腕が問われる。