楢葉町職員2000万円超横領 懲戒免職、町と土地改良区が告発へ

 

 楢葉町は9日、40代の男性職員が会計業務などを請け負っていた土地改良区など二つの団体の口座から2000万円以上とみられる額を横領していたと発表した。町は8日付で男性職員を懲戒免職処分にした。町と土地改良区は今後、男性を告訴、告発するとともに返還を求める方針。

 町によると、男性は2019年4月に社会人枠で職員に採用され、産業振興課に配属された。同月から同課がある役場庁舎内で、土地改良区と、農地管理などを担う地元農家による任意団体「町多面的機能広域活動保全会」の会計業務を含む事務を兼務。約2年半の在職期間中、金融機関の窓口で百数十回にわたり数千円から数十万円を引き出していたという。

 町は横領した総額は2000万円から5000万円未満とみて調査を進める。男性は弁護士を通じて横領を認め、生活費や借金の返済、遊興費などに充てていたという。土地改良区の口座には東京電力福島第1原発事故に伴う東電の損害賠償、保全会の口座には町の交付金などが預金されており、男性が1人で管理していた。

 産業振興課の上司が8月上旬、通帳の管理状況を確認しようとしたところ、男性は体調不良を理由に休むようになり、連絡が取れなくなった。8月23日に男性の弁護士から横領について報告があったという。

 土地改良区では年1回監査が行われていたという。町は今年まで土地改良区などの通帳を確認しておらず「土地改良区が適正に監査を行っていると思い込み、チェック体制が曖昧だった」としている。

 土地改良区の理事長を務める松本幸英町長は「震災以降の多くの支援を裏切る事態となり痛恨の極み」とコメントした。