国内初、有機農業学ぶプログラム設置へ 福島大「食農科学研究科」

 

 福島大が2023年度に開設する予定の大学院「食農科学研究科」(仮称)の概要が判明した。生産環境学や農業生産学など大学の食農学類にある4コースに対応し専門性を高めた四つのコースを設けるほか、国内初となる有機農業などのアグロエコロジー(農業生態学)や、日本酒造りに関わる人らが学ぶ発酵醸造学など三つのプログラムを設置する方針だ。

 大学院の概要は【図】の通り。修士課程で定員30人を予定しており、四つのコースは食農学類の学生ら、プログラムは大学院で学びたい社会人らを主な対象としている。

 アグロエコロジーは自然を壊さず、その力を最大限活用して安全な農産物を生産する農業を目指す幅広い考え方。プログラムでは兼業として小規模に農業を始めたい社会人や、有機農業に取り組みたい人に専門的な知識を学んでもらうことを想定している。

 発酵醸造学プログラムは、大学に設置されている発酵醸造研究所と連携して、発酵醸造に適したコメや大豆の品種改良、日本酒造りに関係する研究を進める。全国新酒鑑評会の金賞受賞銘柄数で8回連続日本一に輝いた本県の日本酒造りに関わる人らが対象となる。農業アントレプレナープログラムは農業分野の経営者らをターゲットにしている。

 大学院生は、いずれかのコースまたはプログラムに所属するが、コース・プログラムの垣根を越えて授業を選択できるようにし、幅広い分野で学びを深める。

 食農学類は19年4月に開設され、現在3年生の1期生が進学するタイミングに合わせて大学院が設置される。農学の高度教育を通じて、震災と原発事故で大きな打撃を受けた浜通りなど被災地の農業復興に資する人材を養成する。

 福島大は来年3月末までに大学院の設置審査関係の書類を文部科学省に提出し、来年度に認可を得たい考えだ。