「従わぬ店に強い措置を」要請守る飲食店 「まん延防止」延長

 
いわき市平の中心部。酒類を提供せずに営業する店も見られるが人影はまばらだ=9日午後6時30分ごろ

 新型コロナウイルス感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の期限延長を受け、適用されているいわき、郡山、福島の3市の飲食店関係者からは「最後にしてほしい」と、ため息交じりに延長への理解を示す声が聞かれた。その一方で、県の要請内容に従わない店も確認されていることから、店主らは「思いをぶつける場がなく、歯がゆい」と複雑な心境をのぞかせた。

 延長を受け、30日まで休業を延ばすと決めた福島市のおでん居酒屋「たこ寅」の店主松本朋己さん(47)は「これ以上自粛が続くと、店をやめるのも考える」と話す。

 重点措置の適用以降、酒類の仕入れを止めたほか、支給される補助金だけでは足りず、資金の借り入れをしている。テークアウトの注文でしのいでいる状況だ。松本さんは「要請に散々協力してきた。これで最後にしてほしい」と声を強めた。郡山市で居酒屋2店舗を経営している男性(35)は「アルコールを出さないと商売にならない」とし、先月23日から続く休業を今月末まで続ける予定だ。

 影響を受けているのは飲食店だけではない。重点措置が適用されて以降、休業している福島市のカラオケ喫茶「やっぴー」の店主阿部敏博さんは「これ以上どうしていいのか分からない」と苦しい胸の内を明かした。

 阿部さんは「国の要請には全て応じてきた」と話す。その一方、要請に応じない飲食店も少なくない。休業中の飲食店を狙った放火などの被害を防ごうと、JR福島駅周辺の飲食店を巡回している福島社交飲食業組合によると、要請に応じていない飲食店を10店近く見掛けたという。阿部さんは「(要請内容を)守らない店がある限り、この状況は続くと思う。みんなで協力するしかない」と訴えた。

 先月8日から重点措置が適用されるいわき市。「延長は厳しいが、感染が再拡大して結果的に休業が長くなる影響を考えれば今は強い措置が必要だ」。飲食店が軒を連ねる同市田町の飲食店「楽彩味処源太」の店長沢雄史さん(35)はこう話し、延長に理解を示した。

 昼中心の我慢の営業を続けるが、他店で隠れて酒を提供しているといううわさも聞こえてくる。沢さんは「頑張っている店のためにもしっかり取り締まってほしい」と求めた。県いわき地方振興局によると、いわき市内の約1850店舗のうち、重点措置を始めた当初は延べ10店舗に注意、指導した。7日現在は1店舗の違反が確認されたという。

内堀知事、過料を示唆「状況によってはやらざるを得ない」

 まん延防止等重点措置による要請に応じない場合、都道府県知事は命令を出し、20万円以下の過料を科すことができる。内堀雅雄知事は9日の臨時記者会見で「一部(要請に)協力いただけていない店があるのは事実」とした上で「幅広い人が悩みながらも協力していただいている。状況によってはやらざるを得ない場合もあると考えている」と述べ、命令、過料を科す可能性を示した。