「持ち直し鈍化」維持 県内景気、日銀福島支店8月の概況

 

 日銀福島支店が10日発表した8月の県金融経済概況は、県内景気について「新型コロナウイルス感染症や半導体不足の影響から、持ち直しの動きが鈍化している」とし、総括判断の評価を8カ月連続で維持した。

 個人消費は外食や旅行、娯楽などのサービス消費が新型コロナの感染再拡大によって悪化。特にいわき、郡山、福島の3市では、まん延防止等重点措置の適用により酒類の終日提供停止が求められ、外食を中心に売り上げが大幅に減少している。主要観光施設の8月の入り込み客数(速報値)は前年比約4割減と落ち込んだ。宿泊業では9月の予約が8月よりも低調だったり、予定されていた教育旅行のキャンセルが相次ぐなど影響が確認されている。

 生産動向は世界的な半導体不足で自動車の生産が減少し、輸送用機械の部品やカーナビなどの情報通信機械を含め幅広い業種が受注減の打撃を受けている。県内企業からは「年内の回復は難しい」と先行きを懸念する声も上がっている。

 植田リサ支店長は記者会見し「総括判断は維持したが、サービス業の状況は前回より悪化した」と説明。一部の飲食店や取引先の関連企業は、初めて緊急事態宣言が発令された昨年4~5月に匹敵する厳しい状況にあると指摘した。

 一方で、政府が希望者のワクチン接種が完了する11月ごろをめどに実施する行動制限緩和の基本方針を決定したことから、植田支店長は「先行きに希望が見えてきた面もある」と述べた。