「みんなで」デュアルスキーを 下郷の菊地さん、普及団体設立

 
ライセンスの取得を目指す仲間たちとデュアルスキー福島会を設立した菊地さん(前列右)ら

 スキーの元コーチで病気で右足を失った下郷町の菊地隆さん(50)が、体が不自由な人でも楽しめる着座式のスキー「デュアルスキー」の普及団体「デュアルスキー福島会」を設立した。南会津町で11日、設立説明会を開き、菊地さんは「障害があるとふさぎ込む人が多い。困難を抱える人の原動力になれれば」と目を輝かせた。

 デュアルスキーは、重さ数十キロある座席の付いたスキー板を専用のライセンスを持つスキー上級者が後ろで操縦する。いすに座ることさえできれば障害に関係なくスキーが楽しめる。福島会の会長は菊地さんが務め、会員5人が来年1月に予定する試乗会の開催に向け、ライセンス取得を目指している。

 菊地さんは、2016(平成28)年に病気で右足を失い、スキーから離れた。19年に別の病気も判明し、「生きているうちにまたスキーができないか」と考えるようになった。そんな時に出合ったのがデュアルスキーだった。知人のつてをたどり、長野県を拠点に活動するデュアルスキーの第一人者、小泉二郎さん(52)=信州大インクルーシブ野外教育事業コーディネーター=と出会い、今年3月に小泉さんと南会津町のスキー場で滑走を果たした。

 上級者のスピードを体験し、感動を覚えたという菊地さん。デュアルスキーを県内で広めようと仲間に呼び掛け、会の設立にこぎ着けた。菊地さんは「(多くの出会いは)前向きに生きる勇気をもらった」と笑顔を見せる。会員のライセンス取得を支援する小泉さんは「障害に関係なくみんなが一緒に楽しむという意識が大切。福島でも(デュアルスキーが)広がってほしい」と期待を寄せた。