猪苗代湖事故、遺族「真実を明らかに」 男逮捕、癒えぬ悲しみ

 
2020年9月、豊田さん母子らが死傷する事故が起きた猪苗代湖の中田浜=会津若松市

 会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、プレジャーボートに巻き込まれて3人が死傷した事故は14日、急展開を迎えた。会津若松署が業務上過失致死傷の疑いで、東京都中央区、会社役員の男(44)を逮捕した。逮捕の一報に遺族は胸をなで下ろす一方、癒えぬ悲しみとともに真実が明らかになることを願った。

 事故で死亡した千葉県野田市の小学3年、豊田瑛大(えいた)君=当時(8)=は当時、両親や兄、別の家族ら7人で遊びに来ていて、水上バイクで引っ張って遊ぶ「トーイングスポーツ」を楽しんでいた。そこに突然、突っ込んできたボート。瑛大君はひかれて死亡し、母親ら2人が重傷を負った。母親は事故で両脚を失った。

 男の逮捕を受け、瑛大君の両親は弁護士を通じて「容疑者が逮捕されたと聞いて一応安堵(あんど)しておりますが、容疑者が逮捕されても瑛大を失った悲しみは癒えません。今後、真実が明らかになることを願っております」とのコメントを発表した。

 瑛大君の母親は先月、福島民友新聞社の取材に「(事故を起こしたボートや容疑者が)本当に特定されるのか、逮捕されるのかという不安が日に日に大きくなっている」と心境を打ち明け、「容疑者の逮捕など、いい報告を瑛大にしてあげたい」と話していた。

 小さな証拠積み重ねる

 事故から約1年を要しての容疑者逮捕に、捜査関係者は「小さな証拠を積み重ねての逮捕」と話した。捜査関係者によると、当時は現場付近で複数のボートが航行しており、車の事故とは違ってブレーキ痕などの証拠が残りにくい水上事故であることから、事故を起こしたボートや事故現場の特定などに難航していた。

 県警捜査1課の協力を得た会津若松署が事故を起こしたとみられるボートの状態などを詳しく捜査。関係者から事情を聴くなどしていた。